春日部相続おまかせ相談室相続分解説/特別受益の贈与

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相続分解説/特別受益の贈与

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贈与の範囲

相続人に対する贈与のうち、婚姻、養子縁組のため、または生計の資本として贈与した財産が、特別受益財産として持戻しの対象になります。

生計の資本としての贈与

「生計の資本としての贈与」とは、宅地などの不動産の贈与や住宅建築資金の拠出あるいは営業資産などが典型ですが、これらに限らず、広く生計の基礎として役立つような財産上の給付をいいます。

生計の資本としての贈与は、相続分の前渡しとみられる程度のものを意味し、具体的には、被相続人の資産状態や社会的地位、贈与の動機、贈与額などの諸事情を考慮します。

ここに対する贈与については、扶養義務の範囲、配偶者に対する贈与については、夫婦間の協力扶助義務の範囲を超えるかどうかを基準に判断されます。

贈与の実務例(裁判例)

裁判例として、被相続人が共同相続人の一人に対して有する債務の支払いのため、代物弁済の趣旨で不動産を譲渡したが、債務の額と不動産の価額の差額が著しいことから、差額相当部分を生計の資本としての贈与にあたるとしたものがあります。

親所用の貸室を子に無償使用させていた場合の賃料相当額は、特別受益にあたるとしています。

子が親の所有土地を無償で借りて、同土地上に賃貸住宅を建築していた場合、特別受益にあたるとしています。

共同相続人間における無償による相続分の譲渡につき、当該相続分に含まれる積極・消極の財産の価額等を考慮して算定した相続分に、財産的価値があるとはいえない場合を除き、譲渡人の相続において、「贈与」にあたるとしています。

学資金

子が大学教育を受けるために受領した学資金は、特別受益として持戻しの対象となるでしょうか。

学資金(学費・入学金など)は、大学を含む高等教育を受けることが一般的になっている今日では、親の扶養義務の範囲内と考えられます。

しかし、他の兄弟姉妹とは別に無理してその者だけ高等教育(通常は大学以上)を受けさせたような場合は、特別受益に該当するというべきでしょう。

裁判例として、次のようなものがあります。

  • 親の資産、社会的地位を基準にするとその程度の高等教育をするのが普通であると認められる場合には、学資の支出は扶養義務の範囲に入り、それを超えた不相応な学資のみが特別受益にあたるとしたうえ、開業医である被相続人が負担した医大の学資は、特別受益にあたらないとしました。
  • 他方、子の一人が高校卒業後の16年後に、歯科医師免許を取得するまでの間に受けた大学受験予備校費・学費・国家試験予備校費・生活費の合計約3,000万円を、特別受益と認定しました。

 

死亡保険金

特定の相続人を受取人とする生命保険契約にもとづく死亡保険金は、一般に受取人の保有財産であって、相続財産に属するものではないと解されています。

しかし、死亡保険金が特別受益にあたる遺贈や贈与にあたらないとしても、保険契約者である被相続人が保険料を支払った結果として、共同相続人の一人が保険金を取得することは、共同相続人間の公平を損なうこともありうると考えられます。

この点につき判例は、被相続人を保険契約者および被保険者とし、共同相続人の一人を死亡保険金の受取人とする、養老保険契約にもとづく死亡保険金請求権または取得した保険金は、特別受益にあたる遺贈または贈与には該当しないとしました。

しかし例外的に、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が、特別受益規定の趣旨に照らし是認できないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、当該死亡保険金請求権は、特別受益に準じて持戻しの対象になると解するのが相当です。

そして、特段の事情の有無については、保険金の額および遺産の総額に対する比率のほか、同居の有無、被相続人の介護などに対する貢献の度合いなど、保険金受取人である相続人および他の相続人と被相続人との関係、各相続人の生活実態などの諸般の事情を総合考慮して判断すべきであると判示しています。

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本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康事務所紹介・プロフィール

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