春日部相続おまかせ相談室相続分解説/持戻しの要否

春日部相続おまかせ相談室の相続・遺言・相続放棄のオリジナル解説

相続分解説/持戻しの要否

「春日部・越谷相続おまかせ相談室」による、相続・遺言・相続放棄の法文を解説しております。難しい言葉を使わず、どなたでもわかりやすいように解説しておりますので、ぜひご覧ください。
本ページは、相続の解説です。相続についてお困りの際は、無料相談も承っておりますのでお問い合わせください。

春日部相続おまかせ相談室

特別受益として持戻しの対象となる贈与・遺贈は、遺産分割の当事者となる相続人に対する者に限られますから、相続欠格者や被廃除者、相続放棄者、高順位相続人などは、特別受益者に該当しません。

被代襲者の特別受益

代襲相続は、代襲者が自己固有の資格にもとづき承継するものですが、被代襲者が被相続人から特別受益にあたるとみられる贈与を受けていた場合、共同相続人間の公平をはかろうとする持戻し制度の趣旨や代襲者は、被代襲者が生存していれば得たであろう利益以上のものを取得すべきではないことなどを理由に、持戻し義務を肯定するのが一般的です。

被代襲者の受けた利益が一身専属的な利益、たとえば特別の高等教育や外国留学のための費用のような場合には、持戻しをさせるのは相当でないとするものもあります。

代襲者自身の特別受益

代襲者自身の特別受益については、たとえば、被相続人が孫に生前贈与をしたのち、孫の父親である子が死亡して孫が代襲相続人となった場合(代襲原因発生前の贈与)、あるいは子の死亡後、孫が被相続人から生前贈与を受けていた場合(代襲原因発生後の贈与)に分けて考えられます。

この点については、代襲原因発生前の贈与は持戻さなくてもよいが、代襲原因発生後の贈与は持戻すべきというのが通説的な考えです。同様の立場に立つ審判例および登記先例があります。

再転相続の場合

同様の問題は、被相続人甲の相続人乙が遺産分割前に死亡し、丙が乙を相続した場合において、乙が甲から贈与を受けていた場合も生じます。

この場合、再転相続人丙の相続分は、第一次被相続人甲から第二次被相続人乙への贈与を特別受益として算定した額となるとした裁判例があります。

なお、最高裁判所平成17年10月11日決定は、第二次被相続人が取得した第一次被相続人の遺産についての相続分に応じた共有持分権は、実体上の権利であって、第二次被相続人の遺産として遺産分割の対象となり、第二次被相続人から特別受益を受けた者があるときは、その持戻しをして具体的相続分を算定しなければならないとしています。

受贈後に推定相続人の資格を得た場合

受贈時には推定相続人でなかった者が、その後贈与者である被相続人と婚姻し、または養子縁組をした場合についても議論があります。

推定相続人となる前の贈与は、特別受益とは認められないのが原則ですが、審判例として次のようなものがあります。

養子縁組が決まった際、大学の学資にあてる趣旨で、株券などの贈与を受けた事案につき、民法903条1項に準じて、相続財産に加算すべきとしたものがあります。

被相続人から土地の無償譲渡を受けたのちに養子縁組をした事案につき、特別受益にあたるとしたものがあります。

相続人の配偶者や子に対する贈与

持戻しの対象となるのは、相続人自身に対する贈与に限られますから、相続人の配偶者や子その他の親族に対する贈与は、原則として持戻しの対象とはなりません。

しかし、実質的にみて、相続人に対する贈与と同視するのが相当であると認められる特別の事情がある場合には、当該相続人の特別受益として持戻しの対象になることがあります。

相続人の子が被相続人から生計の資本として贈与を受けた場合、それが当該相続人の子に対する扶養義務の懈怠に起因するときは、実質的に相続人が贈与を受けたのと変わりはなく、持戻しを認めるのが公平に合致するとした審判例があります。

相続人の配偶者に対する贈与につき、その経緯や贈与されたものの価値・性質などを考慮して、実質的に当該相続人に贈与されたのと異ならないと認められるときは、当該相続人の特別受益とみるべきであるとした、事例の審判例があります。

相続

春日部・越谷相続おまかせ相談室

本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康事務所紹介・プロフィール

春日部相続おまかせ相談室
代表
司法書士・行政書士 美馬 克康(みま かつやす)
事務所
埼玉県越谷市千間台西1丁目12番地1
ダイアパレスルネッサせんげん台506号
アクセス
東武スカイツリーライン せんげん台駅西口より1分
営業時間
8:30〜18:30(土日祝営業)

相続の初回相談30分無料です

電話・メールにて承っております

春日部相続おまかせ相談室の地図(マップ)