遺産の分割/当事者による協議分割
「春日部・越谷相続おまかせ相談室」による、相続・遺言・相続放棄の法文を解説しております。難しい言葉を使わず、どなたでもわかりやすいように解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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遺産分割協議の当事者
遺産分割協議の当事者には、共同相続人のほか包括受遺者や相続分の譲受人などが含まれます。
遺産分割の協議は財産上の行為であって、相続人が協議を行うためには、通常の財産法上の行為能力を有します。
行為能力に問題のある相続人がいる場合には、その前提として成年後見・保佐または補助の手続きを利用する必要があります。
遺言執行者については、当事者として分割協議に参加できるとする考え方もありますが、遺言の執行に必要な限度で利害関係人として参加できるにとどまると解する考えもあります。
共同相続人
遺産分割の協議が有効に成立するためには、共同相続人全員の参加と合意を必要とし、一部の相続人を除外してされた遺産分割の協議は無効です。
他方、当事者以外の者を加えてされた遺産分割協議の効力については、当然に全部無効とすべきではなく、著しく不当な結果を招くものでない限り、無資格者の取得部分のみを無効とし、その部分については再分割をすれば足りると考えられています(大阪地方裁判所判例平成18年5月15日)。
共同相続人中に行方不明の者がいる場合でも、その者を除いて遺産分割の協議をすることはできません。
この場合、利害関係人が家庭裁判所に不在者の財産管理人の選任を申立てたうえ、選任された不在者財産管理人が家庭裁判所の許可を得て遺産分割の協議に参加することができます。
仮に不在者が家出をして、行方不明となり生死不明が7年以上続いているときは、利害関係人は家庭裁判所にその不在者の失踪宣告を求め、その審判の確定後その不在者の相続人を加えて遺産分割の協議をすることができます。
なお、相続人の一人が相続開始後に破産手続開始決定を受けた場合、登記実務はその者が有する共有持分権は破産財団を構成するものと解するのが相当であるとしています。
そして、破産管財人が遺産分割の調停または審判手続きの当事者適格を有し、また、当事者として遺産分割の協議に参加することになるとしています。
相続放棄者・超過特別受益者
相続放棄者ははじめから相続人とならなかったものとみなされますので、遺産分割協議の当事者とはなりません。相続欠格者や被廃除者も当事者となりません。
共同相続人のなかに民法903条2項の超過特別受益者がいる場合は、どうでしょうか。
登記実例は、当該特別受益者が作成した相続分がない旨の証明書およびその者を除く共同相続人間の遺産分割協議書を提供して、相続登記を申請することができるとしています。
学説上は、当事者適格を肯定するのが一般的です。
裁判例は、超過特別受益者で具体的相続分がゼロとなる共同相続人であっても、協議の当事者に加えられなければならないが、特別受益証明書の作成・交付に瑕疵がなく、有効である限り、その作成者が参加しないまま遺産分割をしても当該遺産分割が無効になることはないとしています(大阪地方裁判所判例平成8年2月20日)。
後日の紛争を避けるためにも、超過特別受益者をも参加させて遺産分割協議を行い、遺産分割協議書のなかでその旨を明らかにしておくのが相当でしょう。
- 民法第903条2項
遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
包括受遺者、相続分譲受人
包括受遺者(割合的包括受遺者)は、相続人と同一の権利義務を有しますので遺産分割協議の当事者となります(大阪高等裁判所決定平成12年1月25日)。
特定遺贈の受遺者は当事者とはなりません。
共同相続人の一人または数人から相続分の譲渡を受けた第三者は、共同相続人と同一の権利義務を有しますので、遺産分割協議の当事者となり、相続分の譲受人である第三者を除外した遺産分割協議は効力を有しないものと解されています。
自己の相続分の全部を他に譲渡した相続人は、遺産分割の当事者とはなりません。
判例は、相続分の全部を譲渡した者は、遺産分割の前提問題であって固有必要的共同訴訟とされる遺産確認の訴えの当事者適格を有しないとしています。
共同相続人の一人から、特定の不動産の共有持分権の譲渡を受けたに過ぎない者は、遺産分割の当事者とはなりえません。



