春日部相続おまかせ相談室遺産の分割/遺産分割協議の方式

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遺産の分割/遺産分割協議の方式

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遺産分割協議の方式について、民法上特別の方式は要求されていません。

共同相続人の全員が一同に会して協議するのが望ましいといえますが、必ずしも一同に会する必要はなく、共同相続人の一人が原案を作成して持ち回り全員の承諾をえる方法でも差し支えないとされています。

裁判例として、持回りの方式による遺産分割の協議が成立するためには分割の内容が確定しており、そのことが各相続人に提示されることが必要であるとしています。

そして、協議に参加しなかった相続人に対して分割内容が提示されたことを認定することなく、遺産分割協議の成立を認めた原判決を破棄して差し戻したものがあります(仙台高等裁判所判例平成4年4月20日)。

また、遺産分割の協議は共同相続人全員の口頭による合意であっても有効に成立しますが、相続不動産の登記手続きなどに際しては、遺産分割協議の成立を証する書面の提供を要し、あるいは書面に残していないと後日紛争が生じるおそれもありますので、書面化しておくべきでしょう。

そこで、共同相続人間で遺産分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成し、協議者全員が署名押印(実印)するのが一般的です。

もっとも1通の書面に全員が署名押印する必要はなく、共同相続人乙・丙・丁・戊がいる場合に、その内容を同じくする乙丙間の協議書と、丁戊間の協議書の2通を提供して申請があった場合には、受理して差し支えないとされています。

共同相続人の一部が遺産分配を受けない旨の協議

民法906条は、遺産の分割は、遺産に属する物または権利の性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態および生活の状況その他一切の事情を考慮してすべき旨を、規定しています。

共同相続人間の遺産分割の協議においても、これらの事情を考慮して分割されることが望ましいといえますが、実際の遺産分割協議においては、必ずしも共同相続人の相続分に適合しない内容の協議や、共同相続人中の特定の者のみが遺産の全部を取得する旨の協議も少なくありません。

このような遺産分割は、均分相続を原則とする民法の趣旨に反し、その効力を生じないものと考えるべきでしょうか。

この点については、共同相続人間の協議により、各相続人の法定相続分または指定相続分に適合しない内容の遺産分割が成立した場合であっても、これが各相続人の自由な意思にもとづくものである限り、有効であると解されています。

裁判例においても、相続人は相続財産上の権利を処分する自由を有するものであるから、法定相続分と異なる割合による分割の協議も当事者の真意にもとづくものである限り、これを有効と解しています。

その結果として相続人の一部がまったく相続財産を取得しないこと、あるいは相続人の一人のみが相続財産を取得することとなってもただちに無効とはいえないとされています(東京地方裁判所判例昭和59年3月1日)。

登記実務も共同相続人間の協議により、共同相続人のうちの一人が不動産全部を取得し、他の共同相続人は少額の現金を取得することとした場合、当該遺産分割協議書を提供してした相続登記の申請は、受理して差し支えないとしています。

また、他の共同相続人から生活の援助を受けることを条件に相続財産の分配を受けないこととした遺産分割協議書を、提供してした相続登記の申請を受理しています。

同様に、共同相続人中の一人が、相続財産の分配をまったく受けない旨の意思を表示した場合でも、相続登記の申請は有効に受理されています。

なお、遺産分割協議は財産権を目的とする法律行為ですから、共同相続人間で成立した遺産分割協議は、民法424条の詐害行為取消権行使の対象になると解されています(最高裁判所判例平成11年6月11日)。

著名な判例として、東京地方裁判所昭和59年3月1日を紹介します。
相続人は、相続財産について取得する権利を自ら処分する自由を本来有するものというべきであるから、法定相続分と異なる割合による配分を定める遺産分割の協議も、それが各相続人の真意にもとづくものである限り有効であり、遺産分割協議の結果相続人の一人がまったく相続財産を取得しないこととなっても、ただちに遺産分割協議を無効とされるものではありません。

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本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康事務所紹介・プロフィール

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