春日部相続おまかせ相談室わかる相続/農地法売主の死亡・真正な登記名義の回復

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わかる相続/農地法売主の死亡・真正な登記名義の回復

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問題点

農地を目的とする売買契約締結後、農地法所定の許可申請中に売主が死亡した場合、売主死亡後に農地法3条の許可があったときは、その許可は有効でしょうか。

回答

農地法の許可は、譲受人が農耕適格者であるか否かが重視されます。したがって、売主死亡後に農地法3条の許可があったときでもその許可は有効です。

売買契約締結後、農地法の許可申請中に売主が死亡した場合

農地法3条またはた5条の許可は、譲受人が、農耕適格者であるか否かまたは転用利用者として適格性を有しているか否か、という点について重点をおいて許可の可否が決定されます。

農地の売買契約締結後、農地法の許可申請中に売主が死亡した場合において、売主死亡後、農地法3条の許可があったときは、その許可は有効です。売主の死亡後に、農地法3条の許可が売主宛になされた場合、その許可の効力は、売主の相続人に当然におよぶと解されています。

農地法の許可申請中に売主が死亡した場合、当該許可の到達のときまでは、当該不動産の所有権は、売主の相続人全員に帰属していたと解さざるを得ません。したがって、農地の売買契約締結後、農地法の許可申請中に売主が死亡した場合には、売主の共同相続人名義(許可前に遺産分割協議があった場合、または遺言で相続人が指定されていた場合には、その者の名義)の相続登記をしたうえで、当該相続人から買主に所有権移転登記をすることになります。相続登記を省略することはできません。

この場合、買主への登記原因の日付は、当該農地法の許可書が到達した日です。所有権移転登記の申請には、当該農地法の許可書を提供しなければなりません。

売買契約締結後に売主が死亡し、売主の相続人が農地法の許可書を申請した場合

農地の売買契約締結後に売主が死亡した場合において、相続登記が未了の当該農地について、「譲渡人何某相続人何某」として農地法の許可があったときは、その相続登記後、当該許可書を提供して、売買による買主への所有権移転登記をすることができます。また、許可以前に相続登記がなされた場合は、許可書に記載された「何某相続人」の字句を抹消しなくても当該売買による所有権移転登記の申請は、受理されます。

真正な登記名義の回復

農地について、相続人A名義に所有権移転登記がされている場合において、真正な登記名義の回復を登記原因として、他の相続人Bに所有権移転登記をするには、農地法の許可書の提供を要するか問題となります。結論として、農地法所定の許可書を要しないと解されています。

農地法の許可書の要否

農地について、被相続人から相続人Aに対して相続を登記原因とする所有権移転登記がされている場合に、真正な登記名義の回復を登記原因として、他の相続人Bに所有権移転登記を申請する場合があります。

この場合、登記原因証明情報の内容として事実関係(相続登記が誤っていること、申請人が相続により取得した真実の所有者であることなど)または法律行為(遺産分割など)が記録されていれば、農地法所定の許可書を提供することを要しません。また、農業委員会宛の通報も要しません。

参考先例

農地について、真正な登記名義の回復を登記原因とする、所有権移転登記の取り扱いについては、次のような先例があります。

  1. 農地について、申請な登記名義の回復を登記原因として、従前の所有権登記名義人でない者に対して、所有権移転登記を申請するには、従前の所有権登記名義人の一名からその者への所有権移転についての農地法の規定による知事の許可書の添付を要します。
    この事案は、相続に関するものではありませんが、AからBに所有権移転登記をしたが、Cに対する申請な登記名義の回復を登記原因とする所有権移転登記の申請には、本来は、「従前の所有権登記名義人の一名」であるAからCに対して、所有権移転の農地法所定の許可書があったはずであるから、この許可書を提供しなかければならないとするものであります。
  2. 農地につき、真正な登記名義の回復を登記原因とする所有権移転登記を申請するには、前の名義人に回復する場合を除いて、その申請書に農地の所定の許可書を提供しなければなりません。
  3. 登記記録上の地目が田または畑である土地について、時効取得を原因として権利移転または設定の登記申請があった場合は、登記官からその旨を、関係農業委員会に対し適宜の方法により通知します。
相続

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本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康事務所紹介・プロフィール

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