相続人の調査
「春日部・越谷相続おまかせ相談室」による、相続・遺言・相続放棄の法文を解説しております。難しい言葉を使わず、どなたでもわかりやすいように解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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相続の手続きには、相続人は誰かを調査し、相続人を確定しなければなりません。相続人が誰なのか、形式上は戸籍によって決まっています。
しかし、実際には、相続人が明らかでないこともあります。胎児・相続人が行方不明である場合や、認知されない婚外子がいる場合です。
胎児がいる場合
胎児は、死産の場合もあるため、必ず出生するとは限りません。
胎児を除外して、遺産分割をするのも有効との説があります。胎児が出生後に民法910条を類推適用する考えです。
- 民法第910条
相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。
特別代理人を選任し、胎児に代わり遺産分割協議ができるという説もありますが、死産の場合や、双子であることが判明する前に遺産分割協議をしたとして、出生した場合のことを考えると適切とは言えません。
結局は、胎児が出生するまで遺産分割協議を待つのが適切でしょう。
相続人が、相続承認後に行方不明の場合
相続人が相続を承認後に行方不明となった場合、遺産分割協議ができないことになり、民法第907条第2項の適用となります。
- 民法第907条2項
遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。
これは、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができるということです。
相続人が、相続開始当時から行方不明の場合
相続人が相続開始当時から行方不明の場合は、不在者財産管理人を選任することで遺産分割協議ができます。
相続開始後で遺産分割協議前の死亡
後になって行方不明の相続人が、相続開始後で遺産分割協議前に死亡していたことが判明した場合、相続人の確定に重大な過誤はありません。行方不明で死亡した相続人の相続人が、遺産分割協議に参加するということです。
同時死亡の推定がある場合
「同時死亡の推定」の可能性がある場合、死亡者相互間に相続は発生しません。したがって、被相続人の
たとえば、父と子が同一事故で死亡したような場合です。
この場合、死亡者相互間には、相続はおこりません。よって、被相続人が先に死亡したことが確認できるときを除いて、遺産分割協議を控えたほうが適切です。
相続人たる身分の消滅が争われている場合
相続欠格・相続人の廃除・嫡出否認・親子関係不存在・婚姻または縁組の無効などが争われている場合、解決してから遺産分割協議をするほうが適切です。
被相続人の死後に認知の訴えが提起した場合
戸籍上の相続人だけで遺産分割協議がなされていた場合は有効です。
- 民法第910条
相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。
民法第910条では、遺産分割協議を有効として、後に認知によって相続人に確定した者に、価額支払請求を許せばよい、と定めています。