春日部相続おまかせ相談室わかる相続/表示登記の相続人申請

春日部相続おまかせ相談室の相続・遺言・相続放棄のオリジナル解説

わかる相続/表示登記の相続人申請

「春日部・越谷相続おまかせ相談室」による、相続・遺言・相続放棄の法文を解説しております。難しい言葉を使わず、どなたでもわかりやすいように解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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問題点

不動産の表示に関する登記の申請を、相続人から申請することができるものには、どのような登記があるのでしょうか。以下に検討します。

表題登記はされている場合

変更登記などの申請義務の承継

  1. 表題登記がすでにされている場合において、その表題登記の登記事項について、その変更、更生または滅失の登記(以下変更登記などといいます)をすべき事由が生じたときは、その表題部所有者または所有権登記名義人は、当該変更、更生または滅失の登記を申請しなければなりません。
  2. 上記の変更登記などの申請をしないうちに、その表題部所有者または所有権移転登記名義人について相続が生じた場合には、その相続人全員が上記の変更登記などの申請義務を承継します。
  3. この申請情報には、相続があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を併せて提供しなければなりません。

相続登記をしないで相続人から申請することができる変更登記など

  1. 表題登記がされている不動産について変更登記などの申請は、当該不動産の表題部所有者または所有権登記名義人の相続人は、相続人名義に所有権移転登記をすることなく、表題部の変更登記などの申請をすることができます。たとえば、土地の地目の変更登記は、相続人に相続による所有権移転登記をすることなく、相続人から申請することができます。
  2. 地目変更登記以外に相続人から申請することができる登記は、次のものです。
    ① 土地の分筆または合筆の登記の申請は、相続による所有権移転登記を得なくてもすることができますが、民法251条で規定する「共有物に変更を加える」に該当することから、共同相続人全員から申請しなければなりません。
    ② 建物の合併または分割の登記の申請は、相続による所有権移転登記を得ないで、共同相続人全員から申請することができます。
    ③ 合体前の建物について、相続が開始している場合には、被相続人名義のままで共同相続人の一人から建物合体の申請ができます。

報告的登記・形成的登記

  1. 表題登記、地目変更登記、建物の床面積変更登記、滅失登記などのように、主として、不動産の物理的現況に関するもので、不動産の現況の変化と登記記録とを適合させることを目的とする報告的な登記を、報告的登記といいます。
  2. 報告的登記は、登記官の職権登記の対象になります。
  3. これに対して、土地の分筆もしくは合筆の登記、建物の分割、区分もしくは合併の登記のように、表題部所有者または所有権登記名義人の意思により変更することができ、その登記をすることにより、変更の効果が生じる登記を、形成的登記といいます。
  4. 報告的登記は、保存行為として共有者(共同相続人)の一人から申請することができますが、形成的登記は、共有者(共同相続人)の全員から申請しなければなりません。

申請情報の内容

一般承継人による申請の規定により、相続人が表示人に関する登記を申請するときは、申請人が、表題部所有者または所有権の登記名義人の相続人である旨を、表題部の変更登記などの申請情報の内容としなければなりません。

表題登記がされていない場合

土地・非区分建物の場合

  1. 表題登記がされていない不動産の所有者について、相続が生じた場合には、土地については、不動産登記法36条(表題登記がない土地の所有権を取得した者からの表題登記の申請)、区分建物以外の建物(以下「非区分建物」といいます)については、不動産登記法47条1項(表題登記がない非区分建物の所有権を取得した者からの表題登記の申請)により、当該不動産を相続により取得したものから、当該相続人を表題部所有者とする表題登記の申請をしなければなりません。
  2. 共同相続人間で、遺産分割の協議がととのわないなどの事情により、共同相続人中のある者の名義で表題登記の申請ができない場合には、相続人の一人から共同相続人の全員の名義で、法定相続分による表題登記の申請をすることもできます。
  3. なお、遺産分割の協議がととのわないなどの理由により、共同相続人中のある者(相続人より所有権を取得したとする者)の名義で、表題登記の申請をすることができない場合には、不動産登記法30条の規定を類推適用して被相続人名義の表題登記を、相続人から申請することもできると解されています。

区分建物の場合

  1. 区分建物を新築した場合において、その所有権の原始取得者について、建物の表題登記を申請しないうちに相続があった場合には、当該原始取得者の相続人は、取得者を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を、申請することができます。
  2. 相続人名義での表題登記の申請は認められません。原始取得者を表題部取得者とする表題登記の申請をしなければならないことと、敷地権の登記の有無は関係がありません。
相続

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本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康事務所紹介・プロフィール

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