わかる相続/相続人の不存在
「春日部・越谷相続おまかせ相談室」による、相続・遺言・相続放棄の法文を解説しております。難しい言葉を使わず、どなたでもわかりやすいように解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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相続人の不存在
相続人の不存在の制度とは、相続が開始したのにもかかわらず相続人の在ることが明らかではない場合に、相続人の捜索、相続財産の精算・帰属先の決定をするための制度です。相続人が行方不明または戸籍上には法定相続人は実在するが、その者の生死が不明の場合は、この制度の適用はありません。
相続が開始すると、被相続人の一身に尊属した権利義務を除き、被相続人の財産に属した一切の権利義務は、その相続人に承継されます。しかし、相続が開始したのにもかかわらず、相続人のあることが明らかでないときは、相続人を捜す必要があります。また、相続人が現れなければ相続財産を精算し、最終的な相続財産の帰属を決定する必要があります。
このように、相続人の在ることが明らかでないとき(不分明のとき)に、相続人の捜索、相続財産の精算・帰属先の決定という二つの事務を行うのが相続人の不存在の制度です。相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人(相続財産法人)とされます。
「相続人の在ることが明らかでないとき」にあたる例と、あたらない例を検討します。
- 戸籍上相続人が存在しない場合
戸籍上、法定の相続人となるべき者が最終順位にいたるまで一人もいない場合は「相続人の在ることが明らかでないとき」にあたります。 - 最終の相続人に相続資格がない場合
戸籍上、最終順位の相続人はいるが、そのすべてが相続欠格、推定相続人の廃除または相続放棄をしている場合は、「相続人の在ることが明らかでないとき」にあたります。 - 包括受遺者が存在する場合
遺言者に相続人は存在しないが、相続財産全部の包括受遺者が存在する場合は、「相続人の在ることが明らかでないとき」にあたりません。 - 行方不明・生死不明の場合
相続人が行方不明または戸籍上には法定相続人は存在するが、その者の生死が不明の場合は、「相続人の在ることが明らかでないとき」にあたりません。この場合の相続財産の管理は、不在者の財産管理の規定または失踪宣告の規定によって、することになります。