春日部相続おまかせ相談室相続解説/相続能力

春日部相続おまかせ相談室の相続・遺言・相続放棄のオリジナル解説

相続解説/相続能力

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同時存在の原則

相続は、被相続人の死亡と同時に開始し、相続人は、相続開始のときから被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継することになります。そこで、相続開始のときに、権利能力者として存在していなければなりません。これを同時存在の原則といいます。

しかし、この原則をつらぬくと、①父と子が同時に死亡した場合において、その子に子(父の孫)があったとしても、孫は父から子、子から孫へ承継されるであろう祖父の遺産を承継できません。また、②私権の共有は、出生にはじまるので、相続開始時の胎児には相続能力がないという問題が生じます。

これらの点につき、民法は、①同時死亡の場合にも孫の代襲相続を認めています。また、②胎児にも相続能力を認めることによって問題の解決をはかっています。

同時死亡の推定

親子や夫婦が、飛行機、船舶、自動車などの事故に遭遇し、あるいは地震や火災などの災害によって死亡し、どちらが先に死亡したか明らかでないという場合が生ずることがあります。

その場合、どちらかが先に死亡したとみるか、同時に死亡したとみるかによって、相続人の範囲や相続分に違いが生じます。

設問で考えてみましょう。
夫甲が運転し、その子丙が同乗する自動車が衝突事故で二人とも即死し、妻乙と夫の両親丁および戊が残された場合(甲の子は丙のみで、丙には子どもがいない)、甲の相続人となるのは誰でしょうか。

この場合、甲が先に死亡したとすれば、まず、甲の死亡により乙と丙が相続し、次いで、丙の死亡により乙が相続することになります。

他方、丙が先に死亡したものとすれば、まず、丙の死亡により甲と乙が相続し、次いで、甲の死亡により乙と丁および戊の三人が相続することになります。

これに対し、甲と丙が同時に死亡したものとすれば、甲・丙間に相続関係は生じませんので、甲の死亡については、乙と丁および戊の三人が相続し、丙の死亡については、乙のみが相続することになります。

そこで、民法は、数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の相続後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は同時に死亡したものと推定する(同時死亡の推定)規定をおいています。

この規定は、共同の危難による死亡を要件としていませんので、同一の事故や災害による場合はもちろん、たとえば夫が病死して死亡日時はあきらかであるが、たまたま同じ日に子が海外旅行中に死亡したが、その日時が明らかでないためどちらが先に死亡したか明らかでない場合にも同時死亡が推定されます。

したがって、設問の場合において、甲と丙の死亡の先後が明らかでないときは、同時死亡が推定され、相互に相続関係は生じませんので、甲の死亡については、乙と丁および戊の三人が相続人となります。

登記実務の取り扱い

登記実務上、相続関係の有無は相続登記などの申請の添付書類として提供される戸籍・除籍謄本などにより判断されますので、当該戸籍の記載から、同時死亡の推定を受けるべき事案と判断される場合には、同時死亡として取り扱われます。

先例として、被相続人甲につき昭和34年9月26日午後10:20死亡、甲の二女乙につき同日午後7:00~翌27日午前7:00までに死亡した旨の記載のある戸籍謄本を提供して、相続登記の申請があった場合には、甲および乙の死亡の先後が明らかでないから、同時死亡として、取り扱うほかはないとしたものがあります。

なお、戸籍上、同一時刻の死亡が明らかであれば、同時死亡です。
登記先例として、戸籍上、被相続人と同時刻に死亡した旨が記載されている者は相続人となりえないが、時間的に被相続人より後に死亡した旨が記載されている者は相続人となる、としたものがあります。

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本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康事務所紹介・プロフィール

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