遺産の分割/代償分割・換価分割・共有分割
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代償分割
代償分割とは、共同相続人の一人または数人に遺産を取得させ、その代償として、他の共同相続人に対する債務を負担させる方法です。
たとえば、相続人の一人が不動産全部を取得する代わりに、代償金を他の相続人に支払うことを義務付けるなどの方法をいいます。
代償金の支払いが通例ですが、負担させる債務は必ずしも金銭支払いを目的とする債務に限定されません。
家事事件手続法195条は、家庭裁判所は特別の事情があると認めるときは、遺産の分割の方法として、共同相続人の一人または数人に他の共同相続人に対する債務を負担させて、現物の分割に代えることができると規定しています。
ここにいう、「特別の事情」としては、① 現物分割が不可能の場合、②現物分割をすると分割後の財産の経済的価値を著しく損なう場合、③特定の財産に対する特定の相続人の占有・利用状況を特に保護する必要がある場合などが挙げられています。
代償分割として、相続人の固有不動産を他の相続人に与える方法については、遺産分割の審判では消極に解されていますが、共同相続人間の協議や調停においては許容されるでしょう(最高裁判所判例平成20年12月11日)。
登記先例は、相続人中の一人の固有不動産を、他の相続人に与えることを定めた遺産分割協議書を提供してした「遺産分割による贈与」を、登記原因とする他の相続人への所有権移転の登記の申請は、受理して差し支えないとしています。
代償分割の場合の分割条項例
別紙、遺産目録記載の土地は相続人甲が取得する。甲は、その代償として、相続人乙に対し、令和〇年〇月〇日限り、金〇万円を支払う。
換価分割
換価分割とは、遺産を売却・換価して、その代金から必要経費などを差し引いた残りを、共同相続人間で各自の相続分に応じて分割する方法をいいます。
換価分割には、相続人全員の合意にもとづく任意売却による換価と競売による換価があります。
家庭裁判所は遺産分割の審判をするため、必要があるときは、遺産の全部または一部につき競売による換価処分を命ずることができ、これには審判の継続中に中間処分として換価し、
売却代金を分割取得させるケースと、終局審判で競売を命ずるケースがあります。
また、家庭裁判所は競売のほか、審判のため必要があり、かつ相当と認めるときは、共同相続人中に競売によるべき旨の意思を表示した者がない限り、任意売却による換価を命ずることができます。
任意売却は、換価人(相続人中から選ばれた者)が買主とのあいだに売買契約を締結して換価する方法です。
任意売却の場合、買受人のために所有権の移転登記をする前提として相続の移転による所有権移転登記を要します。競売による換価のための差し押さえについても同様です。
競売による換価処分については、現物分割や代償分割が困難であるか相当でない場合に、行うべきと考えられています。
換価分割の場合の分割条項例
別紙、遺産目録記載の不動産を売却し、売却代金から売却費用などを控除した金員を、相続人甲3分の2、同乙3分の1の割合で取得する。
共有分割
共有分割は、個々の遺産を共同相続人の共有とする方法であり、たとえば、被相続人が居住していた先祖代々の家屋敷を数人の共有とする場合などです。
共有分割後は、通常の物件共有になり、その後の共有関係の解消は共有物分割の手続きによることになります。
裁判例として、遺産中の一部の土地につき坑告人に取得させたうえで、代償金の支払いを命ずるなどした原審判の一部を変更し、代償金支払い能力や当事者双方が換価分割に消極であることなどから、双方の希望と公平な分割を実現するには、同土地を共有で取得させることもやむをえないとして共有取得を命じたものがあります。
共有分割の場合の分割条項例
相続人甲および同乙は、別紙遺産目録記載の土地を、各共有持分2分の1の割合で共有取得する。



