春日部相続おまかせ相談室わかる遺言・遺贈/包括受遺者と相続人

わかる遺言・遺贈/包括受遺者と相続人

春日部相続おまかせ相談室による、「遺言」を解説しています。
遺言」についてご不明な点は、お気軽にご相談ください。

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包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有するとされます。したがって、包括受遺者は遺贈の放棄・承認をすることができ、分割協議に参加することができます。また、包括遺贈は遺留分減殺請求の対象にもなります。相続人の欠格事由は、受遺者の欠格事由ともなります。

包括受遺者と相続人の違いの主なものは次の点です。
第一に、包括受遺者には代襲相続の制度は適用されません。遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じません。なお、「遺産の全部をAに遺贈する。ただし遺言者の死亡以前にAが死亡したときは、これをその子のBに遺贈する。」という遺言(補充遺贈)は有効です。

包括受遺者と相続人の違いの第二に、包括受遺者には遺留分権はありません。包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有しますが、相続人ではなく民法で定める被相続人の直系尊属、直系卑属および配偶者に該当しないことから遺留分権利者となりません。

包括受遺者と相続人の違いの第三です。包括受遺者が複数人ある場合に、その一人が包括遺贈を放棄してもその放棄部分は遺言者の共同相続人に帰属し、他の包括受遺者の持分が増加するものではありません。ただし遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思にしたがいます。

包括受遺者と相続人の違いの第四は、判例によれば、相続人の法定相続分については、相続登記をえなくても第三者に対抗できますが、包括受遺者の持分は、登記をしなければ第三者に対抗することができません。

包括受遺者と相続人の違いの第五は、相続を登記原因とする所有権移転登記は相続人の単独申請ですが、遺贈を登記原因とする所有権移転登記は、包括受遺者と遺言者の共同相続人(または遺言執行者)との共同申請となります。

遺留分を侵害する遺贈があった場合、当該遺言書を提出して受遺者に所有権移転登記をすることができるか問題です。たとえば、登記原因証明情報の一部である遺言書に「全財産をAに遺贈する」と記載されている場合です。この場合、Aに対する遺贈による所有権移転登記の申請は受理されます。

遺言者は、包括遺贈または特定遺贈によって財産を処分することができますが、遺留分に関する規定に違反することができないとされています。遺留分を侵害する遺贈があった場合の取り扱いにつき通説は、遺贈は無効ではなく、遺留分権利者の減殺請求に服するとしています。

登記実務も、相続人でない者に全財産を遺贈する旨の遺言書を添付して、遺贈による不動産の所有権移転登記の申請は受理する取り扱いです。この理由としては、次のように考えられます。

第一に、相続開始時に遺留分権利者が存在しない場合には、遺留分侵害の問題を生じません。
第二に、遺留分権利者が存在したとしても、その者が遺留分減殺請求をしたときに、はじめてその遺贈が遺留分を侵害した限度において効力を失うものであって、遺贈そのもの自体がまったく無効となるわけではありません。
第三に、受遺者は減殺を受けるべき限度において、遺贈の目的の価額を、遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができます。

これらの理由が、遺贈による不動産所有権移転登記の申請を受理する取り扱いですが、いずれも実質審査権がない登記官において知ることは不可能であるからです。

本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康事務所紹介・プロフィール

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