春日部相続おまかせ相談室相続解説/相続の開始

春日部相続おまかせ相談室の相続・遺言・相続放棄のオリジナル解説

相続解説/相続の開始

「春日部・越谷相続おまかせ相談室」による、相続・遺言・相続放棄の法文を解説しております。難しい言葉を使わず、どなたでもわかりやすいように解説しておりますので、ぜひご覧ください。
本ページは、相続の解説です。相続についてお困りの際は、無料相談も承っておりますのでお問い合わせください。

春日部相続おまかせ相談室

総説

相続は人の死亡のみを原因とし、かつその死亡のときに開始します。ここにいう「死亡」には、自然死亡と、失踪宣告による擬制死亡が含まれます。相続による権利義務の承継は、法律上当然に生じ、相続人が相続の開始を知ったか否かや、相続人の意思にかかわりません。すなわち、当然承継の原則です。

自然死亡

1自然死亡

一般に、死亡と言われるのは、医学上の自然死亡のことです。死亡者の戸籍には、死亡診断書、死体検案書などを添付した死亡届にもとづいて、死亡の事実およびその年月日時分が記載されます。戸籍の記載には、推定的証明力がありますので、反証によって覆されない限り、戸籍に記載された死亡の年月日時分が、相続開始のときとなっています。反証は、単にその記載を疑わせる程度(生死不明や異時死亡の可能性など)では足りません。

2認定死亡

水難、火災その他の事由によって、確実に死亡したとみられるが、死体が確認できない場合には、その取り調べにあたった官公署が、死亡を認定して、死亡地の市町村長に報告することができます。そして、市町村長は、この報告にもとづいて戸籍に死亡の旨を記載します。これは、実務上「認定死亡」といわれていますが、この場合も反証のない限り認定されたところにしたがい、死亡の事実および時期が事実上推定されて、相続が開始します。

3高齢者消除

戸籍実務上、100歳以上の高齢者であって、死亡の事実を確認することができない者については、市町村長が法務局または地方法務局の長の許可を得て、職権で戸籍から消除する高齢者消除の取り扱いが行われています。

これは戸籍上の整理のためであって、失踪宣告のような法的効果は生じません。よって、高齢者消除の記載によって相続の開始を認定することはできません。高齢者消除がされている者名義の不動産について、相続登記をするには戸籍上は除籍されても、相続の開始日(死亡日)が明らかでないので、改めて死亡届や戸籍法上の報告による死亡の日または失踪宣告により死亡とみなされる日が戸籍に記載されたのちでなければ、相続を証する情報とすることはできません。

失踪宣告

1失踪宣告の要件

失踪宣告は、人の生死が一定期間明らかでない場合に、その者を一定の時点で死亡したものとみなす制度です。

民法第30条1項は、「不在者の生死が7年間あきらかでないときは、家庭裁判所は利害関係人の請求により失踪の宣告はできる」と規定しています。また、同条2項は「戦地に臨んだ者、沈没した船舶のなかに在った者、その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死がそれぞれ、戦争が止んだのち、船舶が沈没したのち、またはその危難が去ったのち、1年間あきらかでないときも、前項と同様とする」と規定しています。前者を普通失踪、後者を特別失踪(危難失踪)といいます。

普通失踪における「不在者」とは、従来の住所または居所を去り、容易に戻る見込みのない者をいいます。また「生死があきらかでないとき」とは、生存の証明も死亡の証明もできない状態をいいます。特別失踪における危難には、地震、火災、洪水、津波など一般的事変のほか、海中への転落や登山中の転落などの個別的遭難も含まれます。

失踪宣告をするためには、普通失踪の場合には、不在者の生死不明が7年間、特別失踪の場合には、危難が去ったときから危難遭遇者の生死不明が1年間経過することが必要です。

2失踪宣告の手続き

失踪宣告は、利害関係人からの申立てにもとづき、不在者の従来の住所地、または居所地を管轄する家庭裁判所の審判によって行われます。利害関係人は、配偶者・親権者・推定相続人・不在者財産管理人など、失効宣告を求めるについて、重大な法律上の利害関係を有することが必要です。

失踪宣告の申立てがあると、家庭裁判所は公示催告を採り、普通失踪にあっては3ヶ月以上、特別失踪にあっては1ヶ月以上の催告期間が満了したときに、失踪宣告をします。

失踪宣告の審判は、即時抗告期間の経過によって確定し、審判が確定したときは、裁判所書記官は、その旨を公告し、かつ失踪者の本籍地の市町村長に通知します。

3失踪宣告の効果

失踪宣告の審判の確定により、普通失踪の場合は7年の失踪期間が満了したときに死亡したものとみなされます。また、特別失踪の場合には、危難が去ったときに死亡したとみなされます。これを擬制死亡といいます。審判の確定時ではなく、普通失踪にあっては失踪期間満了のとき、特別失踪にあっては危難が去ったときにさかのぼって相続が開始します。

失踪宣告による死亡は、法律上擬制されるものなので、生存の事実が判明しても、家庭裁判所による失踪宣告の取消しがない限り、死亡の効果を否定することはできません。

4失効宣告の取消し

失踪者の生存または異時死亡の証明があったときは、家庭裁判所は、本人または利害関係人の請求により、失効宣告を取り消さなければなりません。

失踪宣告取消しの審判は、即時抗告期間の経過により確定し、これが確定したときは、裁判所書記官はその旨を公告し、かつ失踪者の本籍地の市町村長に通知します。

失踪宣告が取り消されると、相続は開始しなかったことになり、失踪宣告がなかったのと同じ状態になるのが原則です。しかし、当事者が失踪宣告の取消し前に善意でした行為は、その効力は妨げられません。「善意」とは、失踪者が生存すること、または死亡とみなされる時期と異なる時期に、死亡したことを当該行為のときに知らないことです。失踪宣告により財産を取得した相続人などの直接取得者は、その取消しによって権利を失い、これを返還しなければなりませんが、その場合には、現に利益を受けている限度で、返還すれば足ります。

相続登記後に失踪宣告が取り消されたときは、失踪者が登記権利者、現所有権登記名義人である相続人が登記義務者となり「失効宣告取消し」を登記原因として相続登記の抹消を申請することができます。

相続

春日部・越谷相続おまかせ相談室

本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康事務所紹介・プロフィール

春日部相続おまかせ相談室
代表
司法書士・行政書士 美馬 克康(みま かつやす)
事務所
埼玉県越谷市千間台西1丁目12番地1
ダイアパレスルネッサせんげん台506号
アクセス
東武スカイツリーライン せんげん台駅西口より1分
営業時間
8:30〜18:30(土日祝営業)

相続の初回相談30分無料です

電話・メールにて承っております

春日部相続おまかせ相談室の地図(マップ)