春日部相続おまかせ相談室相続解説/相続欠格の効果

春日部相続おまかせ相談室の相続・遺言・相続放棄のオリジナル解説

相続解説/相続欠格の効果

「春日部・越谷相続おまかせ相談室」による、相続・遺言・相続放棄の法文を解説しております。難しい言葉を使わず、どなたでもわかりやすいように解説しておりますので、ぜひご覧ください。
本ページは、相続の解説です。相続についてお困りの際は、無料相談も承っておりますのでお問い合わせください。

春日部相続おまかせ相談室

当然発生主義

相続人に欠格事由が発生すると、裁判上の宣告や特別の意思表示を要しないで、その相続人は法律上当然に相続資格を失います。欠格者は、遺贈を受けることもできなくなります。

欠格事由が相続前に生じたときは、そのときから欠格の事由が生じます。被相続人の死亡後の遺言書の偽造や変造により欠格事由が生じたときは、相続開始時にさかのぼって欠格の効果が生じます。欠格者に子(被相続人の孫)がいるときは、その子が代襲して相続人となります。

相続欠格事由の争い

被相続人甲の相続人A、BおよびCのうち、Bは、Aが甲の遺言書を隠匿しており民法上の相続欠格事由に該当するとしているが、Aは否認しています。この場合、Bはどうしたらよいのでしょうか。

相続開始後、共同相続人間において、特定の相続人の行為が民法の欠格事由に該当するが否かが争いになった場合は、「相続人としての地位の確認」または「相続人の地位を有しないことの確認」を求める訴訟において、その有無が判断されることになります。

判例は、この訴えは共同相続人全員が当事者として関与をし、その間で合一にのみ確定することを要する「固有必要的共同訴訟」と解するのが相当であるとしています。

したがって、Bとしては、BおよびCが共同原告となってAに対し、またはBが原告となってAおよびCに対し、「Aが相続人の地位を有しないことの確認を求める訴え」を提起する必要があります。

なお、相続開始前に、ある者が相続欠格であって、相続人でないことの確認を求める訴えを提起することはできません。

相続欠格と対抗問題

相続欠格の効果は絶対的で、第三者にもおよびます。したがって、欠格者から相続財産である物または権利を譲り受けた第三者は、民法192条による即時取得(動産の場合)などの保護を受けない限り、その物または権利を取得することはできません。

たとえば、配偶者のない被相続人に子甲および乙があり、乙が欠格者である場合において、被相続人名義の不動産につき、乙が甲・乙の持分各1/2とする相続登記をしたうえで、自己の持分を第三者丙に譲渡したとします。

この場合、乙から登記を受けた丙がいたとしても、乙は当該不動産につき無権利である以上、たとえ丙が善意無過失であったとしても、その持分を取得することはできません。甲は相続による当該不動産の取得を、登記がなくても丙に対抗(主張)することができます。

相対的効力

相続欠格は、特定の被相続人に対する関係だけで、相続資格を奪う相対的なものです(欠格の相対性)。

たとえば、子を殺した父は、その子の相続に関しては欠格者となりますが、親の相続に関しては、欠格者とはなりません。

他方、子が父を殺害した場合、父の相続について欠格者となるだけでなく、母の相続についても、その配偶者である父は子と同順位の相続人であるから、子は欠格者となります。

また、祖父母の代襲相続では、実質先順位の父を殺害したことが欠格事由となりますが、自分の子の相続では、相続資格を失いません。

欠格の宥恕

被相続人が欠格者を許して相続資格を回復させること、すなわち欠格の宥恕の拒否については、相続欠格が攻撃的性質を有する制度であることから、これを否定する考えがあります。

一方、相続が財産承継としての意義を持つにとどまること、生前贈与も可能であること、などを理由に、これを肯定する考えも有力です。

裁判例として、兄Aが弟Bを殺害した事案につき、兄弟の父がAを宥恕したと認定して、父の死亡による相続につき、その相続資格を認めたものがあります。

相続欠格者がある場合の登記手続き

共同相続人中に相続欠格者があって、その代襲者がない場合には、当該欠格者を除外して、他の共同相続人から相続による所有権移転の登記を申請することができます。

相続欠格については、欠格事由があると当然にその効果を生じ、その旨が戸籍に記載されるわけでもありません。相続欠格者がある場合の相続登記の申請にあたっては、登記原因証明情報として、相続を証する戸籍・除籍全部事項証明書(戸籍・除籍藤本)などの戸籍関係書類、欠格者自身が作成した欠格事由が存する旨の証明書(印鑑証明書付き)または、欠格事由の存在を証する確定判決の謄本(確定証明書付き)を提供する必要があります。

また、相続欠格者が相続できなくても、欠格者に子があるときは、その子が代襲して相続人となります。他の相続人は、当該欠格者に代襲者がないことを証する、その出生から被相続人死亡時までの欠格者の戸籍・除籍全部事項証明書などをも提供する必要があります。

相続

春日部・越谷相続おまかせ相談室

本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康事務所紹介・プロフィール

春日部相続おまかせ相談室
代表
司法書士・行政書士 美馬 克康(みま かつやす)
事務所
埼玉県越谷市千間台西1丁目12番地1
ダイアパレスルネッサせんげん台506号
アクセス
東武スカイツリーライン せんげん台駅西口より1分
営業時間
8:30〜18:30(土日祝営業)

相続の初回相談30分無料です

電話・メールにて承っております

春日部相続おまかせ相談室の地図(マップ)