相続の開始と場所
春日部相続おまかせ相談室による、「相続」を解説しています。
「相続」についてご不明な点は、お気軽にご相談ください。

相続とは
相続の開始
- 民法第882条
相続は、死亡によって開始する。
相続の原因は死亡のみで、隠居の相続はありません。隠居とは、生前に財産を譲渡するためにあった旧民法の制度で、現在の民法では廃止されました。
失踪宣告は、一定の時点で失踪者を死亡したものとみなすことにより、相続が開始します。
認定死亡を受けた者についても相続が開始します。
相続によって移転するのは、被相続人に帰属していた権利義務のうち、一身専属権(被相続人にのみに専属した性質をもつ権利)および祭祀財産を除いたものです。一身専属権と祭祀財産を除いた財産は、相続する意思に関係なく、死亡という事実に基づき相続人に移転します。相続人が相続の事実を知らなくても移転します。さらに、戸籍上の死亡の届出をしたかどうかも無関係です。
相続の場所
- 民法第883条
相続は、被相続人の住所において開始する。
相続が開始する場所を定めています。
相続が開始する場所は、被相続人の最後の住所地です。本籍地とは無関係です。
被相続人が死亡した場所、財産がある場所も関係ありません。
たとえば、埼玉県に住む者が旅行先である東京都で死亡した場合、相続開始の場所は東京都ではなく埼玉県になります。
相続開始場所の決定は、相続事件の裁判管轄を決定する基準となります。
本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康(事務所紹介・プロフィール)