相続の開始と場所
「春日部・越谷相続おまかせ相談室」による、相続・遺言・相続放棄の法文を解説しております。難しい言葉を使わず、どなたでもわかりやすいように解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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相続とは
『相続』とは、死者の財産を承継することです。
財産を承継される(相続される)者(死者)を『被相続人』といい、財産を継承する(相続する)者を『相続人』といいます。
将来、相続が開始したときに財産を相続することが推定される人のことは、『推定相続人』といいます。推定相続人は、被相続人となる者が亡くなったことで起こる相続開始の際に、相続人として継承される期待権があるだけであり、相続の権利が確定しているわけではありません。
相続に関する規定は、民法『第五編 相続』の第882条から1044条で定められています。
相続の開始
- 民法第882条
相続は、死亡によって開始する。
相続の原因は死亡のみで、隠居の相続はありません。隠居とは、生前に財産を譲渡するためにあった旧民法の制度で、現在の民法では廃止されました。
失踪宣告は、一定の時点で失踪者を死亡したものとみなすことにより、相続が開始します。
認定死亡を受けた者についても相続が開始します。
相続によって移転するのは、被相続人に帰属していた権利義務のうち、一身専属権(被相続人にのみに専属した性質をもつ権利)および祭祀財産を除いたものです。一身専属権と祭祀財産を除いた財産は、相続する意思に関係なく、死亡という事実に基づき相続人に移転します。相続人が相続の事実を知らなくても移転します。さらに、戸籍上の死亡の届出をしたかどうかも無関係です。
相続の場所
- 民法第883条
相続は、被相続人の住所において開始する。
相続が開始する場所を定めています。
相続が開始する場所は、被相続人の最後の住所地です。本籍地とは無関係です。
被相続人が死亡した場所、財産がある場所も関係ありません。
たとえば、埼玉県に住む者が旅行先である東京都で死亡した場合、相続開始の場所は東京都ではなく埼玉県になります。
相続開始場所の決定は、相続事件の裁判管轄を決定する基準となります。