相続放棄と相続承認
春日部相続おまかせ相談室による、「相続放棄」を解説しています。
「相続放棄」についてご不明な点は、お気軽にご相談ください。

相続放棄と相続承認の性質および注意点
- 相続の承認、相続放棄は財産上の行為です。
したがって、相続人が承認および放棄をするには、通常の財産法上の行為能力が必要とされます。つまり、相続人が未成年者である場合は、法定代理人の同意あるいは代理が必要になります。
相続人が成年被後見人である場合は、成年後見人の代理が必要です。被保佐人の場合は、保佐人の同意が必要です。これらに違反した相続の承認、相続放棄は、取り消すことができます。 - 相続の承認、相続放棄は、包括的意思表示が必要です。相続の承認、相続放棄は、相続財産について包括的に承認および放棄がされなくてはならず、相続財産の一部を承認および放棄をするということはできません。
- 相続の承認、相続放棄は、相続開始後の行為です。相続の承認、相続放棄は、相続開始後にされます。相続開始前に、相続の承認、相続放棄の意思を示しても有効とはされません。認められるのは、遺留分の事前の放棄だけです。
- 相続の承認、相続放棄は、条件・期限をつけることができません。条件・期限をつけることは認められません。さらに、相続の承認・放棄を禁止したり制限したりする遺言や契約は無効です。
- 相続の承認、相続放棄は、家庭裁判所に申述し、受理審判がされて有効となります。
単純承認は、意思表示や届出が必要ありません。
相続放棄と相続承認の撤回および取消し
相続の承認、相続放棄をした者は、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内であっても、撤回することができません。
未成年者、成年被後見人、被保佐人(保佐人の同意を得ていない場合)が、相続の承認、相続放棄をした場合や詐欺、強迫によってなされた相続の承認、相続放棄は取消すことができます。
相続の承認、相続放棄の取り消しは、家庭裁判所に申述します。
単純承認の取消しは、申述する必要ありません。
相続の承認、相続放棄の取消権は、追認することができるときから6ヶ月間行使しないときは、時効で消滅します。相続の承認、相続放棄のときから10年を経過したときも取消権は消滅します。
相続の承認、相続放棄が取り消された場合、3ヶ月の期間が経過していても、遅滞なく承認または放棄をすることができます。
本記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康(事務所紹介・プロフィール)